单选题
2分
幸福について二つの考え方がある。 ( 56 )、幸福を外的な条件に求めるものと、内的な 状態とするものと、客観的と主観的、物質的と精神的と言ってもよい。すべての幸福はこ の二つの立場に要約される。 ...
幸福について二つの考え方がある。 ( 56 )、幸福を外的な条件に求めるものと、内的な 状態とするものと、客観的と主観的、物質的と精神的と言ってもよい。すべての幸福はこ の二つの立場に要約される。
幸福とは外的なもの、単に精神的なものではなく、物質的なものである。私たちは 57こ の考え方を決して軽蔑することはできない。幸福は精神的なものであると言って物質的な 幸福をおろそかにすることは、自らを欺くことであるのみならず、精神的な幸福を失うこ とにもなる。着るもの、食べるもの、住む所があることは幸福である。健康に恵まれ、友 達に恵まれることは幸福であり、これに反してそれを欠くことは不幸である。これは当た り前のことだが、案外認められていないように思われる。
けれども、この外的な幸福を固定的に考え、58これがなければ幸福ではないと考えると、 大きな誤りに陥ることになるだろう。健康であることは確かに幸福だが、病気の者が必ず しも不幸だとは限らない。たとえ体が丈夫でも気持ちが安らかでないならば、幸福とは言 えないし、たとえ衣食住が十分でなくても、平和な気持ちで暮らしている人は幸福である。 この点で、幸福は外的な条件に左右されるのではなく、気持ちの持ち方にあるというのは やはり本当だ。自分で自分は不幸だと思っている人は不幸であるし、自分は幸福だと思っている人が幸福なのである。人はあることによって苦しめられるよりも、そのことについ て抱く自分の考え方によっていっそう苦しめられるものだ。健康を害したり物質的な不自 由によって不幸であるよりも、それらを不幸だと考える方によって人はいっそう自分を不 幸にするものである。
幸福を単に物質的なものと考えて、59幸福を外に求めているかぎり、私たちの欲望は強 まり、不満は止むことがない。現に恵まれているささやかなものの中に私たちが喜びを見 出すならば、そこには大きな幸福があるに違いない。
56.( )に入る言葉として、次のどれが適当か。
幸福とは外的なもの、単に精神的なものではなく、物質的なものである。私たちは 57こ の考え方を決して軽蔑することはできない。幸福は精神的なものであると言って物質的な 幸福をおろそかにすることは、自らを欺くことであるのみならず、精神的な幸福を失うこ とにもなる。着るもの、食べるもの、住む所があることは幸福である。健康に恵まれ、友 達に恵まれることは幸福であり、これに反してそれを欠くことは不幸である。これは当た り前のことだが、案外認められていないように思われる。
けれども、この外的な幸福を固定的に考え、58これがなければ幸福ではないと考えると、 大きな誤りに陥ることになるだろう。健康であることは確かに幸福だが、病気の者が必ず しも不幸だとは限らない。たとえ体が丈夫でも気持ちが安らかでないならば、幸福とは言 えないし、たとえ衣食住が十分でなくても、平和な気持ちで暮らしている人は幸福である。 この点で、幸福は外的な条件に左右されるのではなく、気持ちの持ち方にあるというのは やはり本当だ。自分で自分は不幸だと思っている人は不幸であるし、自分は幸福だと思っている人が幸福なのである。人はあることによって苦しめられるよりも、そのことについ て抱く自分の考え方によっていっそう苦しめられるものだ。健康を害したり物質的な不自 由によって不幸であるよりも、それらを不幸だと考える方によって人はいっそう自分を不 幸にするものである。
幸福を単に物質的なものと考えて、59幸福を外に求めているかぎり、私たちの欲望は強 まり、不満は止むことがない。現に恵まれているささやかなものの中に私たちが喜びを見 出すならば、そこには大きな幸福があるに違いない。
56.( )に入る言葉として、次のどれが適当か。
参考答案: D